AGAに効果があるケトコナゾール配合シャンプーを解説

ケトコナゾール含有シャンプーがAGAに効果があると考えられている

ケトコナゾールという抗真菌薬が、AGAの抜け毛に効果が期待されています。

マラセチア殺菌成分、ケトコナゾール

ケトコナゾールは頭皮の常在菌であるマラセチアを殺菌できる唯一の成分であり、マラセチア大量増殖を殺菌対応できる成分。マラセチアによる大量抜け毛、いわゆる脂漏性皮膚炎の抜け毛を防ぐことが可能です。

そしてマラセチアの抜け毛だけでなく、最近ではAGAによる抜け毛を予防する効果が期待されるようになりました。

ケトコナゾールでAGAの抜け毛予防

ケトコナゾールは皮脂分泌も抑えるだけでなく、頭皮のテストステロンを抑制する働きがあることがわかり始めました。これにより、AGAの原因であるジヒドロテストステロンの生成が抑制されると考えられています。

ケトコナゾールによるテストステロン生成抑制のメカニズム

テストステロンは実はテストステロンになるまえにいくつかの段階を踏んで生成されます。それが下記の順番で行われ、最終的にジヒドロテストステロンに変換されAGAの抜け毛が始まります。

  1. プロゲステロン
  2. アンドロステンジオン
  3. テストステロン
  4. ジヒドロテストステロン

ケトコナゾールはプロゲステロンからアンドロステンジオンへ変換されるのを阻害することがわかっています。そのため、そもそもテストステロン生成量自体が抑制されることになり、頭皮でジヒドロテストステロンの生成量が抑制されるわけです。

フィナステリドはAGA対策として完璧ではない

フィナステリドを飲んでいても5αリダクターゼは少なからずテストステロンと結合してしまう

ちなみにフィナステリドは完全にジヒドロテストステロン生成量をゼロにはできません。フィナステリドは5αリダクターゼという酵素を阻害しますが、100%阻害できず、漏れた5αリダクターゼはテストステロンと結合しジヒドロテストステロンに変換され、抜け毛が発生します。

毎日フィナステリドを飲んでいてもある程度のジヒドロテストステロンは生成されてしまうのです。そのため、フィナステリドよりも効果の高く副作用発生率の高いザガーロがあめんですね。ちなみにザガーロはフィナステリドよりも協力ですが、こちらも100%5αリダクターゼを阻害できるわけではありません。

そもそもテストステロン自体を少なくしてしまうケトコナゾール

しかしケトコナゾールを使用することでテストステロンの生成量自体を少なくしてしまえば、頭皮に存在するテストステロン自体も少なくなりますからフィナステリドから漏れた5αリダクターゼと結合できるテストステロンが少なくなり、結果としてジヒドロテストステロン生成がさらに抑えられるわけです。

そしてフィナステリドを飲んでいれば、より高いAGA治療対策が成り立つわけです。

髪の毛が太くなるケトコナゾール

ケトコナゾールは皮脂分泌量を減らします。これにより髪の毛はしっかりと育ち太くなることがわかっています。

AGA治療用シャンプーとしてAGAクリニックで処方される

そしてケトコナゾールには成長期にある髪の毛を太く育てる効果があることがわかっており、AGA治療に加える3つ目の医薬品として推奨されることが増えています。実際に日本のAGA専門クリニックはケトコナゾール配合のシャンプーをAGA治療用シャンプーとして販売しています。

日本では市販されていないケトコナゾールシャンプー

ケトコナゾール配合シャンプーは医薬品なので日本では市販されていません。アメリカではケトコナゾール配合シャンプーがあり、私は個人輸入して毎日使用しています。そもそも脂漏性皮膚炎を持っているのでその予防用シャンプーとして使っていたのですが、調べれば調べるほど、AGAに効果があることがわかってきて、それから手放せなくなりました。

ケトコナゾールは推奨度C1

ケトコナゾールはAGA治療効果として勧められるランクは高くない「推奨度C1」です。推奨度C1に分類されるのは他の成分として、t-フラバノン、アデノシン、サイトプリン・ペンタデカン、塩化カルプロニウムなどがあります。どれもミノキシジルが解禁される前に発売されていた育毛剤に含まれる成分として見たことがあると思います。効果のランクとしてはこの程度ということです。

ではなぜAGA治療効果があると考えられるケトコナゾールがC1ランクなのかというと、脂漏性皮膚炎でAGAの男性患者が使ったところかなり有効な効果が見られたものの、検証症例数が少なくまた女性での検証数がないため、低ランクとなるC1のままになっています。

このランクはかなり効果があることがわかっていたとしても、検証数が少ない場合はAランクのフィナステリドやミノキシジルのように分類されることはありません。そのため、検証数が増えて有効な結果がでればケトコナゾールもC1よりも上のランクに上る可能性が非常に高いと言えるのです。

ケトコナゾールはAGA治療とともに使用することで育毛効果が高まる

1998年の研究ではケトコナゾールはミノキシジル育毛剤と同等の育毛効果があるという論文(Pierard-Fraichimont,C De Doncker, P Cauwenberg , G.,et al)が発表され、さらにミノキシジル育毛剤を使うだけでなくフィナステリド服用とケトコナゾールシャンプーの併用がミノキシジル育毛剤単体よりもAGA治療効果が高いという論文(Comparative efficacy of various treatment regimens for androgenetic alopecia in men. J Dermatol 29)も発表されています。

結局これまでリアップを使っていた人はそれだけでは不十分で、フィナステリドでまず抜け毛を止めなきゃいけない。

その上でリアップのようなミノキシジル配合育毛剤を使うべきなのですが、フィナステリドと併用するなら、ミノキシジルよりもケトコナゾールシャンプーのほうが勧められるという論文がいくつかでているということなんです。

私の結論としては、フィナステリドもミノキシジル育毛剤、そしてシャンプーはケトコナゾール配合シャンプーの3種の神器をもってAGA治療を継続すべきということです。

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